無増悪生存期間の延長が認められたため
中外製薬株式会社は、2月10日、ALK阻害剤「アレセンサ」の国内第3相臨床試験について独立データモニタリング委員会より早期有効中止の勧告を受領したと発表した。
この早期有効中止の勧告は、同剤が主要評価項目である無増悪生存期間を統計学的に有意に延長することが示されたため。
有効性および安全性を比較
同試験は、「アレセンサ」と「クリゾチニブ」の有効性および安全性を比較する、第3相非盲検ランダム化比較試験。
対象として登録されたのは、化学療法未施行もしくは化学療法が1レジメン施行された、ALK融合遺伝子陽性の進行・再発非小細胞肺がん患者207名。対象患者は、「アレセンサ」単独投与群と「クリゾチニブ」単独投与群の2群に、1:1の比率で割り付けられている。
当初より計画されていた中間解析において「アレセンサ」群は、「クリゾチニブ」群に対して無増悪生存期間の統計学的に有意に延長を示したという。
患者に福音をもたらすもの
同試験におけるこの結果を、独立データモニタリング委員会は検討。「アレセンサ」群において、試験実施計画書で期待した以上の無増悪生存期間の延長が統計学的有意に示されたとして、今回の試験早期有効中止の勧告に至った。なお、同剤の安全性に関する問題は指摘されていない。
中外製薬は、「この早期有効中止勧告が試験に参加している患者に福音をもたらすものとして、大きな喜びを感じる」としている。

ALK阻害剤「アレセンサ」国内第3相臨床試験が早期有効中止 - 中外製薬株式会社
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