英国のアストラゼネカが取得
英国のアストラゼネカは、2月3日、同社の「TAGRISSO(OSIMERTINIB)」について欧州委員会 (EC) より販売承認を取得したと発表した。
この承認は、局所進行あるいは転移性の上皮成長因子受容体 (EGFR) T790M変異陽性非小細胞肺がんを適応とするもの。
非小細胞肺がん患者の約3分の2に薬剤耐性
非小細胞肺がんのうちEGFR変異陽性の患者は、ヨーロッパで10~15% 、アジアでは30~40%に上る。同疾患は、腫瘍細胞の増殖を促進する細胞内シグナル伝達経路を阻害する既存のEGFR-TKIによる治療に非常に高い感受性を示すが、同時にほとんどの場合において薬剤耐性が生じる。
薬剤耐性の結果、病勢は進行する。既承認のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤である「ゲフィチニブ」「エルチロニブ」「アファチニブ」による治療を受けている患者の実に約3分の2において、T790Mとして知られる2次変異により薬剤耐性が発生していた。
両方を標的に
「TAGRISSO」は、がん発生の原因となるEGFR遺伝子変異と、EGFR-TKIの薬剤耐性に関与するT790Mの両方を標的とする。
今回の承認は、EGFR-TKIによる治療中あるいは治療後に病勢が進行した474人のEGFRm T790M非小細胞肺がん患者における有効性を示した2本の第2相試験および第1相拡大試験のデータに基づくもの。客観的奏効率は、第2相試験併合解析において66%、第I相試験では62%だった。無増悪生存期間は、第2相試験併合解析で9.7カ月、第1相試験では11カ月としている。

TAGRISSO、EGFR T790M遺伝子変異陽性転移非小細胞肺がんにおける治療薬として、欧州で承認取得 - アストラゼネカ株式会社
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