「再発又は難治性の多発性骨髄腫」の治療薬
ノバルティス ファーマ株式会社は、「再発又は難治性の多発性骨髄腫」の治療薬として「パノビノスタット乳酸塩」の国内における製造販売承認申請を行ったと発表した。
同薬は、クラス1・2・4のヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)を強力に阻害する経口剤。本年9月17日には、厚生労働省より希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)として指定されている。
治癒できる治療法がない多発性骨髄腫
多発性骨髄腫は、白血球のひとつである形質細胞が癌化する疾患。癌化した骨髄腫細胞は、健康な血液の産生の妨害や、骨をもろくするなどのさまざまな障害を引き起こす。よく見られる症状としては、血液中のカルシウム値上昇、貧血、腎障害、骨痛および骨折などがある。
多発性骨髄腫に対しては、移植や薬物療法による治療が行われているが、治癒できる治療法は現在のところない。再発または病勢進行も繰り返されることから、さらなる治療効果の向上や新たな薬剤の開発が待ち望まれている。
9月にオーファンドラッグ指定
「パノビノスタット」は、クラス1・2・4のHDACを強力に阻害する経口剤。HDACが活性化すると癌を促進するプロセスが生じるが、同薬はこのHDACを阻害することで細胞死を誘導し、抗腫瘍効果を発揮すると考えられている。
同薬は米国にて2014年3月に、EUでは5月に、多発性骨髄腫治療薬として申請が行われた。日本では本年9月17日に、厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けている。

多発性骨髄腫治療薬としてパノビノスタットを承認申請 - ノバルティス ファーマ株式会社
http://www.novartis.co.jp/news/2014/