去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)の患者を対象に
バイエルヘルスケア社は、フィンランドの製薬会社であるオリオン・コーポレーションとともに、開発中の新規経口アンドロゲン受容体(AR)阻害剤「ODM-201」について、第3相臨床試験への患者登録を開始したと発表した。
同剤は、前立腺癌の治療を目的に臨床開発中の薬剤。同試験では、前立腺特異抗原(PSA)値の上昇を認めるが転移が確認できない去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)の患者を対象に、同剤の評価を行う。
男性における癌の中で2番目に多い、前立腺癌
前立腺癌は、男性生殖器の一部である前立腺で細胞が異常増殖することにより発生する癌。世界の男性における癌の中で2番目に多く、およそ30万人が死亡したと推定されている。治療は、外科手術から放射線治療、ホルモン受容体拮抗薬による治療まで及ぶ。
CRPCは進行した前立腺癌であり、AR機能が継続的に異常を示し、従来の抗アンドロゲン薬に抵抗性を示すことを特徴とする。CRPCの治療は急速に進歩しているものの、アンドロゲン遮断療法中にPSA値上昇を認めるが転移が確認できないCRPC患者に対する標準治療はなかった。
無転移生存期間が評価項目
「ODM-201」は、前立腺癌細胞の成長を阻害するよう設計された、独自の化学物質を含む新規AR阻害薬。ARと高い親和性で結合し細胞機能を阻害することにより、受容体機能を阻害する。
進行性転移性CRPC患者を対象とした同剤の第2相臨床試験では、病勢抑制効果と良好な安全性プロファイルを有することが確認された。今回開始された第3相臨床試験では、PSA値の上昇を認めるが転移が確認できないCRPCを有する患者を対象として、無転移生存期間を評価項目として同剤を評価する。

バイエルとオリオン社、新規前立腺癌治療薬ODM-201の第3相臨床試験を開始 - バイエル薬品株式会社
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