セントジュード小児研究病院、MMVとブロード研究所
2014年9月16日、エーザイ株式会社は新規の抗マラリア薬開発を目的とする2つの共同研究を開始したと発表した。
1つは新規経口抗マラリア薬の候補化合物であるSJ733の前臨床および初期臨床開発の実施で、米国のセントジュード小児研究病院、非営利官民パートナーシップMMVとの共同研究となる。 SJ733には即効性があり、耐性が問題となっているアルテミシニン系の抗マラリア薬で効果がない患者に対して有効であることが期待されている。
もう1つは、ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学の共同研究施設であるブロード研究所とともに行うもので、同研究所のライブラリーからスクリーニングされた一連の化合物の最適化を行い、新規抗マラリア薬の候補化合物を特定するという。
これらの共同研究は公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金より、開発途上国等で蔓延する感染症の制圧に向けた新薬開発を推進するための助成金交付を受けている。
蚊が媒介するマラリア
マラリアはマラリア原虫を持つ蚊に媒介されて人に感染する寄生虫症だ。比較的新しいアルテミシニン系の抗マラリア薬を含む既存の治療法に対して耐性を持つマラリアが近年は報告されており、大きな問題となっている。
世界保健機関によれば2012年には約63万人がマラリアによって死亡したと推定されており、その死者の多くがアフリカの子供達である。

新規抗マラリア薬開発に向けた二つの共同研究を開始 エーザイ株式会社
http://www.eisai.co.jp/news/news201449.html