進行性および転移性乳がんに対する一次治療薬
ファイザー社は、Palbociclibの新薬承認申請を米食品医薬品局(FDA)へ提出したと発表した。
Palbociclibは、2013年、進行性および転移性乳がんに対する一次治療薬として、FDAから「Breakthrough Therapy」(画期的治療薬)に指定された薬剤。
開発中の経口分子標的薬
Palbociclibは、開発中の経口分子標的薬。サイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6を選択的に阻害、細胞周期を調節すると共に腫瘍細胞の増殖を抑制する。
CDK4/6は、細胞周期の調節に主要な役割を果たしており、細胞が成長フェーズからDNA合成が行われるフェーズへ移行する際の重要な調節因子。がんでは細胞周期の調節不良が特徴的であり、多くのがんにおいてCDK4/6が過剰に活性化され、細胞増殖が制御できない状態になる。
非臨床データから、CDK4/6とERシグナルの両方を阻害することでその効果が相乗的になることが示唆されており、ER陽性乳がん細胞株の増殖をG1期で停止させることが示されている。
FDAの決定について、公表する予定
今回の申請提出は、前治療歴のないエストロゲン受容体陽性およびヒト上皮増殖因子受容体2陰性の進行性閉経後乳がんに対する治療として、レトロゾールとの併用における承認取得を目的としたもの。
Palbociclibは開発中の化合物であり、現在いずれの国においても製造販売承認を取得していない。ファイザー社は、申請受理に関するFDAの決定について、公表する予定。

ファイザー社、Palbociclibの新薬承認申請をFDAに提出 - プレスリリース
http://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/