抗がん剤の創製を目指す
アステラス製薬株式会社は、がん領域における共同研究・ライセンス契約を、英Cancer Research UKと締結したと発表した。
この共同研究は、すい臓がんを含む様々ながんの治療につながる抗がん剤の創製を目指すもの。
オートファジー制御因子を特定
すい臓がんは、臓器自体が体の深部に位置して他の臓器に囲まれていることや、特徴的な初期症状がないことで、早期発見が難しいとされている。発見された時には、既に進行していることが多いのも現状だ。そのため、生存率が低く、新薬の誕生が切望されている。
一部のすい臓がんにおいては、オートファジー(自食作用)活性に依存して、がん細胞が生存・増殖していることが知られている。オートファジー活性は、遺伝子異常の蓄積・低酸素・栄養欠乏などによる種々のストレスで亢進する。
アステラス製薬とCancer Research UKは、このオートファジーとがん細胞増殖の関連性に着目。共同研究において、すい臓がんに対する有望な治療につながるオートファジー制御因子を特定し、検証する。
アステラス製薬が治療薬を開発・商業化
共同研究の期間は、2年間。共同研究の結果、有望な治療につながる新規のオートファジー抑制因子が同定された場合は、アステラス製薬が治療薬の開発・商業化を目指す。アステラス製薬は、開発・商業化の進捗に応じ、Cancer Research UKに対して一定のマイルストンとロイヤルティを支払うとしている。

アステラス製薬:Cancer Research UKとのがん領域における研究提携のお知らせ - プレスリリース
http://www.astellas.com/jp/corporate/news/