名古屋大学研究者らによる研究発表
名古屋大学大学院工学研究科の研究者などから構成される研究グループは、光学活性次亜ヨウ素酸塩触媒を用いた不斉酸化的六員環化反応を開発したこと、そしてこの開発により天然型ビタミンEを含む生物活性を有するクロマン類について形式的不斉全合成を達成したことを2014年7月18日に発表しました。本研究成果は科学技術振興機構の支援によりなされ、医薬品製造プロセス及び新薬の開発研究に多大な貢献を果たすことが期待されています。
今回の研究成果概要
ビタミンEを含むクロマン類は抗酸化作用を有し、その多くはキラル化合物です。そのため、薬理活性が強い光学異性体のみを対象とした選択的合成が要請されています。この点研究グループは毒性・資源不足が懸念されている遷移金属に代わる元素として、日本に豊富に存在するヨウ素に着目しました。このヨウ素から、環境にも優しい光学活性次亜ヨウ素酸塩触媒を用いた酸化的エーテル六員環化反応を開発することができました。
今回の開発によって、ビタミンEに含まれる全ての成分や様々なクロマン類の光学活性鍵合成中間体について、高い精度・高い収率で選択的に不斉合成することができるようになったのです。

名古屋大学 プレスリリース
http://www.nagoya-u.ac.jp/