前立腺がんの新しい治療薬
東京都新宿区に本社を置くサノフィは前立腺がんの治療薬につき、厚生労働省から製造販売に関する承認を取得したことを2014年7月4日に発表しました。商品名は「ジェブタナ(R)点滴静注60mg」で、一般名はカバジタキセル・アセトン付加物となります。
この薬は、厚生労働省における「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、医療上の必要性が高い薬としての評価を受け、これに基づき、厚生労働省が同社に開発要請を2012年4月に行いました。その後の国内外における試験結果に基づき2013年7月に承認申請を行い、今回の承認取得へと至ったわけです。
新しい治療薬の意義とは
この薬は細胞内の微小管に作用することで、細胞の増殖を阻害するという形の抗がん剤です。前立腺がんが進行する理由の一つに男性ホルモンの影響があり、そのため転移が認められた前立腺がんの場合は通常男性ホルモンの分泌や働きそのものを抑制するホルモン療法が採用されます。それでも、がんが進行してしまう去勢抵抗性前立腺がんに関しては、抗がん剤のドセタキセルによる化学療法があるものの、生存期間の延長に寄与する治療法が限定的でした。
そこで、登場したのが本剤で、海外で行われた第III相試験においては、全生存期間につき有意な延長が示されました。

サノフィ プレスリリース
http://www.sanofi.co.jp/