耐性を獲得した結核菌種に強い効果
大塚製薬株式会社は、同社の「デルティバ錠50mg」について、成人における多剤耐性肺結核に対する治療薬として、国内における承認を取得した。
同剤は、新たなメカニズムを有する抗結核薬。抗結核薬としては、40年ぶりの新薬だという。
日本の結核罹患率、最も高い水準
現在の日本の結核罹患率は、人口10万人あたり17人と、先進諸国の中で最も高い水準となっている。
特に多剤耐性結核の治療に関しては、40年以上も新薬がなく、旧来の抗結核薬を使用するしかない状況が続いていた。治療の選択肢が限られていることから、5年以内の死亡率が21.6%、10年以内の死亡率が36.7%と高い数値を示している。
抗結核薬の耐性は、副作用のために治療を完遂できない等、薬が適切に使用できない場合に生じる。多剤耐性結核の出現は世界的な脅威となっており、少なくとも20カ月におよぶ治療期間を強いることになるため、患者の負担は非常に大きなものとなる。
新たなメカニズムを有する抗結核薬
40年ぶりの新薬として登場した「デルティバ錠」は、結核菌の細胞壁を構成するミコール酸の生成を阻害することにより殺菌効果を示す、新たなメカニズムを有する抗結核薬。特に、結核治療の第一選択薬であるイソニアジドおよびリファンピシンへの耐性を獲得した結核菌種に対して、強い効果を示すという。
同剤は本年4月、成人の多剤耐性肺結核の適応で欧州委員会より販売承認を取得。同社は、多剤耐性肺結核の高蔓延国や試験を実施した国々でも承認を取得できるよう努めている。

40年ぶりの抗結核薬の新薬「デルティバ」 日本初の多剤耐性肺結核の適応で承認取得 - プレスリリース
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