β-ラクタマーゼ阻害剤配合抗生物質製剤
大鵬薬品工業株式会社は、同社のβ-ラクタマーゼ阻害剤配合抗生物質製剤「ゾシン静注用2.25・4.5」について、「発熱性好中球減少症」の適応症追加を厚生労働省に承認申請したと発表した。
世界的な標準薬として高く評価
「ゾシン静注用」は、大鵬薬品が創製したβ-ラクタマーゼ阻害剤・タゾバクタムが配合された、注射用抗生物質製剤。タゾバクタムと、富山化学工業株式会社の創製によるペニシリン系抗生物質・ピペラシリンが、力価比1:8の割合で配合されている。
同剤は2008年7月、成人と小児における敗血症・肺炎・腎盂腎炎及び複雑性膀胱炎を適応症として、承認された。2012年9月には、腹膜炎・腹腔内膿瘍・胆嚢炎及び胆管炎の適応症でも承認。海外では102カ国で承認され、世界的な標準薬として高く評価されている。
厚労省から大鵬薬品へ開発要請
発熱性好中球減少症は、骨髄抑制に伴う好中球減少時に発症する発熱性疾患。さまざまな化学療法や放射線療法などの治療に起因して生じる。急速に重症化して死に至る危険性がある一方、広域抗菌薬の投与で改善することも知られている。
厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、「ゾシン静注用」の「発熱性好中球減少症」適応取得に向けた開発要望を、関連学会が提出。これにより厚労省から大鵬薬品へ2010年12月に開発要請が行われ、これを受けた同社は治験を実施していた。

β-ラクタマーゼ阻害剤配合抗生物質製剤「ゾシン静注用」発熱性好中球減少症での適応追加申請のお知らせ - プレスリリース
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