グルタミン酸受容体の拮抗薬
2014年6月17日、エーザイ株式会社は、抗てんかん薬Fycompa(一般名ペランパネル)が、第III相試験において主要評価項目を達成したと発表した。
てんかん発作は神経伝達物質であるグルタミン酸により誘発されると報告されている。Fycompaは同社が創製した抗てんかん薬で、グルタミン酸受容体の一種であるAMPA受容体の拮抗薬。シナプス後AMPA受容体のグルタミン酸による活性化を阻害し、神経の過興奮を抑制する。
同剤は12歳以上のてんかん患者における部分発作に対する併用療法を適応とし、35ヵ国以上で承認を取得。欧州・米国・カナダで発売されている。
重篤なてんかん発作を減少
今回の試験は、全般てんかんのもっとも重篤な発作型のひとつである強直間発作を有するてんかん患者を対象とし、Fycompaの有効性と安全性を検討した多施設共同並行群間比較試験。164例をFycompa群およびプラセボ群に割り付け、発作頻度変化率と発作頻度50%減少達成率を比較した。
その結果、28日後の発作頻度変化率および発作頻度50%減少率が、プラセボ群に比べFycompa群で有意に改善した。安全性については、めまいや疲労、頭痛、神経過敏、眠気の有害事象がみられたが、これまでのものと同様であった。
(画像はプレスリリースより)
この試験結果に基づき、同社は2014年度上期中に米国および欧州に、同剤の全般てんかんにおける難治性強直間発作に対する併用療法の適応拡大申請を行うとしている。

抗てんかん剤「Fycompa」(一般名:ペランパネル)が全般てんかんにおける難治性強直間代発作の併用療法を対象とした臨床第III相試験で主要評価項目を達成(エーザイ株式会社)
http://www.eisai.co.jp/news/news201432.html