血友病治療の重篤合併症を予防
2014年6月23日、バクスター株式会社は、血友病インヒビター治療薬「ファイバ注射用500および1000」について、定期投与を目的とした用法・用量の変更にかかわる一部変更承認を取得したと発表した。
血友病は遺伝性の血液凝固異常症で、おもに男性に発症する。血友病患者では血液凝固に必要な凝固タンパクの十分に産生できない、または欠乏しているため、止血に時間がかかり、内出血などが生じ激しい痛みや関節症が引き起こされる場合もある。
血液凝固因子製剤を定期的に補充することで、出血を予防することが可能となる。しかし、補充療法が長期にわたると、免疫システムの作用により血液凝固因子を攻撃するインヒビター(抗体)が発生し、凝固因子製剤の効果が阻害されるケースもある。
こうしたインヒビターの発生は、血友病治療におけるもっとも重篤な合併症のひとつとされ、日本には100例以上の血友病インヒビター患者がいると報告されている。
定期投与により出血エピソードを改善
「ファイバ」は血友病インヒビター患者に対し、血漿中の血液凝固活性を補うことで、出血を抑制する血漿分画製剤。これまで出血時の投与が認められていたが、今回の承認により、定期投与を目的とした治療での使用が可能となった。
同薬の国際共同第III相試験では、定期投与のほうが出血時投与よりも出血エピソードを有意に改善することが示されている。

血友病インヒビター治療用「ファイバ」の用法・用量の変更にかかわる一部変更承認を取得(バクスター株式会社)
http://www.baxter.co.jp/downloads/news_room/