認知症治療薬の開発をさらに加速
富山化学工業株式会社は、アルツハイマー型認知症治療薬「T-817MA」の第2相臨床試験を、日本において5月末より開始した。
同社は富士フイルムホールディングス株式会社のグループ会社。富士フイルムホールディングスはこの試験をもって、アルツハイマー型認知症治療薬の開発をさらに加速させるとしている。
病態動物モデルにおいて高い治療効果を確認
現在、アルツハイマー型認知症の治療薬としてはアセチルコリンエステラーゼ阻害薬などが上市されている。しかしこれらの治療薬の薬効は一時的な症状改善にとどまるため、新たなアルツハイマー型認知症治療薬の登場が待たれていた。
「T-817MA」は、富山化学工業が見出したアルツハイマー型認知症治療薬。強力な神経細胞保護効果と神経突起伸展促進効果を有し、病態動物モデルにおいては高い治療効果を示すことが確認されている。
有効性および用量反応性を検討
「T-817MA」の第1相臨床試験は、富山化学工業が日本において平成24年に実施した。同試験にて「T-817MA」の安全性および忍容性が確認されたため、第2相臨床試験がやはり日本において5月末より開始された。対象としたは、ドネペジル塩酸塩で治療中のアルツハイマー型認知症患者。「T-817MA」の有効性および用量反応性を検討するという。
富士フイルムグループは、「T-817MA」の開発をさらに加速させるとしている。

アルツハイマー型認知症治療薬「T-817MA」日本にて第II相臨床試験を開始 - プレスリリース
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