専門家による提言書を作成
2014年5月28日、公益社団法人日本脳卒中協会とバイエル薬品株式会社は、共同事業「心房細動による脳卒中を予防するプロジェクト」(TASK-AF)を開始し、その一環として、心房細動による脳卒中予防のための地域一体的な取り組みの提言書をまとめたと発表した。
この提言書は、医療専門家による本プロジェクト実行委員会によるもので、心房細動の早期発見と適切な治療の2つから構成される。TASK-AFのウェブサイト(
http://task-af.jp/)には全文を掲載している。
提言内容のモデル事業化を目指す
心房細動は高齢者で発症しやすい不整脈で、国内の患者数は80万人を超えると推定されている。心房細動患者では、心房細動のない人に比べて脳梗塞のリスクが5倍となる。また心房細動によって引き起こされる脳梗塞は心原性脳塞栓症という重篤なもので、死亡率が高く、救命されても寝たきりとなど重度の後遺症が引き起こされる可能性も高い。急速に高齢化が進む日本においては、心房細動患者が急増すると予想され、心原性脳塞栓症への対策は早急に取り組むべき課題となっている。
心原性能塞栓症は重大な結果を引き起こすが、適切な治療により6割が予防できる。そのためには心房細動の早期発見と適切な抗凝固療法が重要である。
こうした背景から、提言書では現状と自治体や保険者、医療提供者に、現状と課題を踏まえた具体的な取り組みを提案し、脳卒中予防の推進をねらう。今後は提言内容をモデル事業化し、より効果的な脳卒中予防につなげたいとしている。

「心房細動による脳卒中を予防するプロジェクト」(TASK-AF) を開始-自治体・保険者・医療提供者等に具体的提言(バイエル薬品工業株式会社)
http://byl.bayer.co.jp/html/press_release/2014/