東京大学の発表概要
東京大学大学院農学生命科学研究科のグループは、2014年6月3日、大腸がんの発生を阻止するための新しい物質を発見したことを発表しました。
東大の研究グループでは、マウスを用いた実験を通じて免疫細胞の一つであるマスト細胞が作り出すプロスタグランジンD2という物質が、大腸炎及び細胞ががん化するのを抑制することを発見しました。プロスタグランジンE2は一般的に炎症が発生した際に細胞膜のリン脂質部分から作られる生理活性物質であり、炎症を引き起こす作用が、以前からわかっていたものの、プロスタグランジンD2の働きについては、今まで明らかになっていなかった。
今回の実験内容
今回の実験において、マウスにプロスタグランジンD2受容体を刺激する薬を投与し観察をしたところ、マウスの腸炎の症状と大腸がんの発症を抑制することに成功したのです。
大腸がんは日本人が最も多く発症するがんの一つであることから、その発症を抑制するメカニズム及び予防・治療薬の開発が強く期待されており、今回の実験結果は新しい腸炎治療薬及び大腸がん予防薬の開発につながる可能性が期待されています。

東京大学 プレスリリース
http://www.a.u-tokyo.ac.jp/