JSTの産学共同開発事業に採択
2014年6月11日、第一三共株式会社は、新規汎用型ワクチンアジュバントの開発を開始したと発表した。
同社は新規ワクチン創製に向け、開発課題として「新規汎用型ワクチンアジュバント」を設定し、科学技術振興機構(JST)の産学共同実用化開発事業(NexTEP)に応募。NexTEPは、大学等の研究成果に基づく研究シーズを、企業による実用化開発を支援する事業であるが、今回、同社の開発課題がこの採択されたことをうけ、開発に踏み切った。
ノーベル賞受賞の研究をきっかけに、アジュバント開発が加速
アジュバントとは、ワクチンとともに投与することでワクチンの有効成分である抗原に対する免疫応答を増強することを目的として使用される成分の総称。過去80年以上にわたって開発が続けられてきたが、その詳細なメカニズムは解明されていなかった。
しかし、これまでの免疫学や微生物学の知見、とくに2011年にノーベル生理学賞を受賞した自然免疫や樹状細胞の研究をきっかけとして、アジュバントに関する研究成果が相次ぎ、科学的なアプローチによるアジュバント開発が可能となった。
同社は今後、開発課題に必要な研究シーズを有する医薬基盤研究所の石井健氏、および北九州市立大学の桜井和朗氏と連携し、開発を進めるとしている。

科学技術振興機構「産学共同実用化開発事業」における開発課題「新規汎用型ワクチンアジュバント」採択に関するお知らせ(第一三共株式会社)
http://www.daiichisankyo.co.jp/news/detail/006140.html