BSC群に対して無増悪生存期間が有意に延長
2014年5月30日から6月3日まで米国で開催されていた第50回米国臨床腫瘍学会(ASCO)にて、大鵬薬品工業株式会社が現在国内で開発を進めている抗悪性腫瘍剤ET-743(一般名:トラベクテジン)の第2相臨床試験の結果が発表された。
当試験は2012年7月11日から2014年1月20日にかけ、国内12の医療機関で染色体転座が報告されている組織型の悪性軟部腫瘍患者を対象として実施された。ET-743投与群と、支持療法(BSC: best supportive care)群を、無増悪生存期間を主要評価項目として比較した。
76例を比較した結果、前者は後者に対して無増悪生存期間を有意に延長した。前者での無増悪生存期間の中央値は5.6カ月、後者は0.9カ月であった。また全生存期間中央値については、前者が未到達、後者が8.0カ月との結果も出た。
これによりET-743は、国内において対象となる悪性軟部腫瘍患者の新たな治療選択肢になる可能性が出てきた。
(画像は大鵬薬品工業株式会社ホームページより)
アンメット・メディカル・ニーズである悪性軟部腫瘍
悪性軟部腫瘍は筋肉、結合組織、脂肪、血管リンパ管といった身体の軟部組織に発症する。国内では推定患者数3,000人程度の希少疾病ではあるが、難治性のため新規薬剤が望まれている。
ET-743はファーママー社により開発された新規抗悪性腫瘍剤で、現在は欧州各国、ロシア、韓国、カナダなど80カ国で承認・販売されている。

新規抗悪性腫瘍剤 ET-743(トラベクテジン)悪性軟部腫瘍患者を対象とした第2相臨床試験結果を米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表
http://www.taiho.co.jp/corporation/news/