「HF10」の安全性が確認されたと発表
タカラバイオ株式会社は、米国時間の5月31日、第50回米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会において、米国で実施したがん治療薬「HF10」の第1相臨床試験の結果を発表した。
同社はここで、「HF10」の安全性が確認されたと発表。また、複数の症例で腫瘍の増大が抑制されることも確認したと発表している。
単純ヘルペスウイルス1型の弱毒化株、「HF10」
「HF10」は、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)の弱毒化株。
HSV-1は、唇にできる口唇ヘルペスなどの原因となるが、多くの場合は感染しても症状をあらわすことはない。このHSV-1をがん局所に注入すると、顕著な抗腫瘍作用を示す。「HF10」は、この作用を利用して開発された。
タカラバイオは、平成22年11月に「HF10」の事業を株式会社エムズサイエンスより取得している。
腫瘍の増大が抑制されることも確認
ASCO年次総会において同社は、「HF10」の安全性が確認されたと発表した。
また、複数の症例において腫瘍の増大の抑制も確認されたと発表した。特に悪性黒色腫における半数以上の症例においては、標的病変の30%以上の縮小あるいは腫瘍増大の抑制が確認されたという。
同社は、悪性黒色腫を対象とした第2相臨床試験の臨床試験実施申請資料を、今年4月30日に米国食品医薬品局へ提出。米国において「HF10」の第2相臨床試験を開始する準備を進めている。

米国臨床腫瘍学会にてがん治療薬HF10の第Ⅰ相臨床試験結果を発表 - プレスリリース
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