大鵬薬品の米国学会での発表
大鵬薬品工業は米国シカゴで開催された第50回米国臨床腫瘍学会において、抗悪性腫瘍剤ET-743の第II相臨床試験の結果を発表しました。この試験は日本国内で行われた試験であり、染色体への転座が報告されている悪性軟部腫瘍患者を対象として実施されました。
悪性軟部腫瘍は、筋肉や血管・リンパ管・脂肪といった体の軟部に発症する悪性腫瘍で、治療が困難な悪性腫瘍の一つであり、日本における罹患率は10万人あたり2-3人と希少疾病の一つではあるものの、アンメット・メディカル・ニーズの一つであることから、新規薬剤が強く望まれています。
今回の臨床試験の内容と結果
本試験では、ET-743を投与したグループと、支持療法を用いたグループとを用意し、無増悪生存期間を主要評価項目として比較しました。この試験には国内12の医療機関が参加し、およそ1年半の試験期間を通じて76例の結果を得ることに成功しました。
この試験の結果として、ET-743の投与により、臨床的に重要な無増悪生存期間を延長することができ、また、報告された副作用についても海外における試験結果と大きな相違が見られなかったことなどから、ET-743が悪性軟部腫瘍の治療における有用な選択肢となり得ることが示唆されたのです。

大鵬薬品 プレスリリース
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