直腸がんを対象
大日本住友製薬株式会社は抗がん剤として開発中の「BBI608」の直腸がんを対象とした第3国際共同治験(CO23)試験において、新規患者の登録と現在登録している患者に対しての投与を中止すると発表した。
BBI608は、がん細胞だけではなくがん幹細胞(幹細胞様性質を有するがん細胞)に対しても作用して、抗腫瘍効果を発現する新しいメカニズムの低分子化合物。米国で2015年、日本国内では2016年の発売を予定していた。
第3国際共同治験
この試験は米国、カナダ、日本において、難治性の結腸直腸がん患者を対象にしたランダムにBBI608投与群にとプラセボ投与群振り分けた結果を比較する試験だ。
独立安全性モニタリング委員会の勧告による
独立安全性モニタリング委員会が97例の登録患者を対象とした今回の試験の中間解析を行ったところ、安全性についての問題は認められなかった。
だが、DCR(病勢コントロール率)の面で、あらかじめ目標としていたクライテリア(判断基準)を達成していなかったため、新規患者の登録と現在登録している患者に対して、投与の中止を勧告した。
なお、すでに今回の試験の参加した約280例に関しては、新規の投与は中止するが、今後も主要評価科目項目であるOS(全生存期間)で評価する。
BBI608は今回の試験以外にも様々な固形がんに対し、第1相から第3相までの複数の臨床試験を実施している。大日本住友製薬は、継続中のこれらの試験については、引き続き開発を進めて早期の承認取得を目指すという。

大日本住友製薬株式会社ニュースリリース
http://www.ds-pharma.co.jp/pdf_view.php?id=602