炎症性腸疾患の二大疾患
武田薬品工業株式会社は、潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬「Entyvio」について、欧州委員会(EC)から販売許可を取得したと発表した。
潰瘍性大腸炎とクローン病は、炎症性腸疾患の二大疾患。全世界で400万人以上いるという患者に対して、同剤は幅広い治療選択肢を提供する。
正確な原因はいまだ不明
「Entyvio」の一般名は、「vedolizumab」。vedolizumabは、潰瘍性大腸炎およびクローン病治療薬として開発された、ヒト化α4β7インテグリンモノクローナル抗体。α4β7インテグリンに特異的に結合し、α4β7インテグリンの細胞接着分子への結合を阻害することにより、特定のリンパ球が消化管細胞へ浸潤することを阻害する。
潰瘍性大腸炎およびクローン病は、炎症性腸疾患の二大疾患。その患者数は、全世界で400万人以上にのぼる。多くの研究者が両疾患について、外的な環境要因と遺伝子や体内の免疫システムとの相互作用が疾患を引き起こすと指摘しているが、正確な原因はいまだ不明とされている。
世界約40ヵ国、2700名の患者を対象に試験
同剤の販売許可にかかる申請は、臨床第3相試験であるGEMINITM試験の結果に基づき実施された。GEMINI試験は、世界約40ヵ国において2700名の患者を対象に行われた。
現在、同剤の販売が承認されているのは、欧州連合(EU)加盟28ヵ国ならびにノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタイン。米国においても、成人の中等度から重度の活動期潰瘍性大腸炎およびクローン病の治療剤として、承認されている。

潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬「Entyvio」(一般名:vedolizumab)の 欧州における販売許可取得について - プレスリリース
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