元患者の活動家が請願提出
国境なき医師団(MSF)は、世界保健機関(WHO)加盟各国政府に対して、結核と薬剤耐性結核(DR-TB)の検査・治療法を今後12ヵ月間で大幅に改善するよう、請願を提出した。
提出は、超多剤耐性結核(XDR-TB)を克服した元患者であり、現在は結核関連活動家である南アフリカ出身のフメザ・ティジールさんに託された。
(画像はプレスリリースより)
DR-TBの懸念すべき増加
MSFは30年以上結核の治療に従事しているが、活動地において近年、DR-TBの懸念すべき増加を目にしている。WHOの2012年の調べによると、多剤耐性結核(MDR-TB)の患者のうち、治療を開始していない人は約1万7000人いるという。またこの数は、患者全体のごく一部と考えられている。
この状況を克服するため、結核マニフェストは打ち出された。「DR-TB診断・治療の普及、各国政府によるDR-TB対策の拡大」「治療法の向上による治癒率の大幅向上」「DR-TB治療の普及を促す資金援助の拡大」という3つの要求を、このマニフェストは掲げている。
支援者5万人の署名も提出
請願は、スイス・ジュネーブで開催中のWHO総会において、DR-TBの対策に関する20ヵ年計画が採択されるのを前に行われた。提出は、XDR-TBを克服した元患者であり、現在は結核関連活動家である南アフリカ出身のフメザ・ティジールに託された。
「結核マニフェスト」と共に、世界5万人の支援者からの署名が提出されている。

薬剤耐性結核による死亡者数、1年以内に削減を――MSFがWHO総会で請願提出 - プレスリリース
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