細胞接着因子フィブリンの組換えタンパク質「レトロネクチン」
タカラバイオ株式会社は、2014年5月21日、遺伝子治療に用いられる組換えタンパク質「レトロネクチン」を用いたリンパ球拡大培養法に関する特許が米国で成立したと発表した。
がんの治療法のひとつに、免疫細胞療法がある。患者自身のリンパ球を体外で活性化させて細胞数を増やしてから体内に戻し、がん細胞を破壊させるという方法で、他のがん治療よりも副作用が少ないとされている。
レトロネクチンは、細胞接着因子であるヒトフィブロネクチン分子を改良した組換えタンパク質。同社はレトロネクチンにリンパ球培養を増強させる効果があることを見出し、このタンパク質の存在下でリンパ球の培養と増殖を行う「レトロネクチン拡大培養法」を開発した。
がん免疫細胞治療での利用に期待
今回の特許は、レトロネクチン拡大培養法に関するもの。この技術により、効率的なリンパ球の培養が可能となる。また、レトロネクチン拡大培養法で増殖した細胞のなかには、がん治療効果の高いナイーブT細胞が多く含まれているという特徴があることから、Tリンパ球を用いるがん免疫細胞治療での利用が期待されている。
特許の詳細は下記のとおり。
特許名:Process for producing cytotoxic lymphocyte
登録番号:US8728811
特許登録日/満了日:2014年5月20日/2026年2月27日
他国での成立状況:日本、ドイツ、イギリス、フランス、中国など12か国
(プレスリリースより引用)

レトロネクチンを用いたリンパ球拡大培養法に関する特許が米国において成立(タカラバイオ株式会社)
https://www.takara-bio.co.jp/news/2014/05/21.htm