悪性胸膜中皮腫患者を対象に
抗がん剤の開発を行う米国Verastem社は、現在実施中のCOMMAND試験の範囲を拡大し、日本の臨床施設を含めることを発表した。
COMMAND試験は、悪性胸膜中皮腫患者を対象にした同社の抗がん剤主力製品候補・FAK阻害剤VS-6063の承認申請を目的とした試験。日本が加わることにより、世界で同時に臨床開発が行われることになる。
同社における抗がん剤の主力製品候補
悪性胸膜中皮腫は、肺を覆う中皮に発生する、侵攻性の強い種類のがん。肺の周囲に固形腫瘍の膜を形成し、最終的に窒息および死に至る。がん幹細胞を含んでいる割合が高く、また現在承認申請されている中皮腫治療法に概ね耐性がある。
COMMAND試験は、この悪性胸膜中皮腫患者を対象に、強力なFAK阻害剤VS-6063を評価する承認申請を目的とした、プラセボ対照二重盲検試験。腫瘍の進行および再発の根本原因であるがん幹細胞を、標的とする。VS-6063は、同社におけるがん幹細胞を標的とする抗がん剤の主力製品の候補とされている。
日本のPMDAに対して提出
Verastem社は、日本人の進行固形がん患者を対象に実施したVS-6063 の第1相試験結果を、最近公表している。結果によると、VS-6063は高い忍容性を示し、米国での第1相試験の結果とも一致した。
同社はこの結果を受け、日本人の中皮腫患者においてVS-6063を評価するための臨床試験の開始申請を、日本のPMDAに対して提出した。COMMAND試験は、米国や日本など12カ国の臨床施設で、350~400名程度の患者を登録する予定。

Verastem - Novel Drugs Targeting Cancer Stem Cells
http://www.verastem.com/Verastem 社、日本で COMMAND 試験を開始 - プレスリリース
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/