平均睡眠効率が有意に改善
2014年12月10日、エーザイ株式会社は、同社が不眠症治療剤として開発中の新規デュアルオレキシン受容体拮抗剤「E2006」に関する臨床第2相試験(201試験)の結果を、第53回米国神経精神薬理学会の年会で発表したことを明らかにした。
201試験では、不眠症の患者291名を対象に同剤またはプラセボを15日間投与した。その結果、同剤の投与群は投与された用量にかかわらず、投与前の状態と比較して平均睡眠効率が統計学的に有意に改善されたという。
また翌日に残存する眠気についてもカロリンスカ眠気尺度で評価したところ、E2006を25mg投与した群のみ、プラセボ投与群に比較して統計学的に有意な増加が認められた。
同社創製の新規低分子化合物
同剤は睡眠と覚醒の調節に関与する神経ペプチドで、オレキシン受容体の2つのサブタイプいずれにも競合的に結合する働きを持つ。
正常な睡眠時はオレキシン作動性神経が抑制されることから、不眠症ではオレキシンが関与する睡眠・覚醒の制御機構が正常に働いていない可能性があるという。同剤はオレキシンによる神経伝達を阻害することで、睡眠の誘発と維持に貢献すると期待されている。

エーザイ株式会社 ニュースリリース
http://www.eisai.co.jp/news/news201477pdf.pdf