肺機能を改善させ、重度の喘息増悪の発現を減少
2014年11月11日、サノフィ株式会社は、同社がRegeneron社とともに実施しているdupilumabの後期第2相(第2b相)用量検討試験の中間解析において、同剤によるIL-4・IL-13のシグナル伝達阻害が、肺機能を改善させ、喘息増悪の発現を減少させる結果を示したと発表した。
同試験は24週間二重盲検プラセボ対照用量検討試験で、現在も継続中である。中等症から重症のコントロール不良の成人喘息患者776人をdupilumabの4用量群とプラセボ群のいずれかに無作為に割り付けて実施され、両群には約40%の好酸球数高値の喘息患者も均等に割り付けられている。
その結果、主要評価項目である投与12週時点でのベースラインからの1秒量(FEV1:肺機能の標準的な検査項目)における平均変化量において両群を比較したところ、dupilumabの4用量群のうち上位3つの高用量群がプラセボ群に対する有意な改善を示したという。
また好酸球数高値集団と試験全体集団の両者においては、上位2つの高用量群でFEV1の平均変化率が有意に改善され、重度の喘息増悪の発現が減少したとしている。
IL-4・IL-13のシグナル伝達を阻害
dupilumabはTh2型免疫反応に必要なサイトカインであるIL-4・IL-13のシグナル伝達を同時に阻害する働きがある、開発中の治験薬だ。
アレルギー性炎症の病態に重要な役割を果たしていると考えられている両者のシグナル伝達を同時に阻害できることから、治療薬として喘息治療への利用が期待されている。
同社は上記の結果に基づき、コントロール不良の中等症から重症の喘息患者を対象とした第3相試験に進む予定とのこと。

サノフィ株式会社 プレスリリース
http://www.sanofi.co.jp/l/jp/ja/index.jsp