血液透析そう痒症に関するライセンス
東レ株式会社とOrient EuroPharma Co.,Ltd.(本社・台北市、以下「OEP社」)は、そう痒症改善剤「TRK-820」について、台湾における血液透析そう痒症に関するライセンス契約を締結した。
同剤は、東レが開発したもの。この契約により、同剤の台湾における開発と販売は、OEP社が独占的に行うこととなる。
不十分だった血液透析患者のそう痒症
「TRK-820」は、抗ヒスタミン薬など従来の止痒薬とは異なり、オピオイドカッパ受容体に選択的に結合して作動活性を示す。そのため、抗ヒスタミン薬などでは抑えられなかった中枢性の痒みを抑えることが可能になる。
そのため同剤は、既存治療では効果が不十分だった血液透析患者のQOL向上に大きく貢献すると考えられている。血液透析患者におけるそう痒症は、一般的な痒みの原因物質であるヒスタミンの関与が少ない。そのため、全身性の強い痒みが発生しながらも十分に抑える薬剤が存在せず、QOL悪化を招いていた。
台湾の血液透析患者に新たな治療法を
台湾では、末期腎臓病患者の割合が諸外国に比べて高く、血液透析医療に対するニーズが高い。OEP社は今回の提携により、痒みを訴える台湾の血液透析患者に新たな治療法を届けられるよう、「TRK-820」の開発に積極的に取り組むとしている。
なお日本において「TRK-820」は、2009年3月より既に販売されている。

そう痒症改善剤「TRK-820」の台湾におけるライセンス契約締結について - 東レ株式会社
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