新薬承認申請の段階的提出を開始
大鵬薬品工業株式会社は、現在グローバルで開発中の抗悪性腫瘍剤「TAS-102」が、米国食品医薬品局(FDA)より「ファスト・トラック」の指定を受け、新薬承認申請の「ローリング・サブミッション(段階的提出)」を開始したと発表した。
日本では世界に先駆け発売中
「TAS-102」は、トリフルリジン(FTD)とチピラシル塩酸塩(TPI)を配合した経口のヌクレオシド系抗悪性腫瘍剤。
FTDは、DNAの複製時にチミジンの代わりに直接DNA鎖に取り込まれ、DNAの機能障害を引き起こすことで抗腫瘍効果を発揮すると推測されている。TPIは、FTDの分解に関与するチミジンホスホリラーゼを阻害することで、FTDの血中濃度を維持する作用を持つ。
日本において同剤は、「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」が効能・効果の「ロンサーフ配合錠T15・T20」として、今年5月に世界に先駆けて発売されている。
開発・審査の迅速化を進める「ファスト・トラック」
FDAの「ファスト・トラック」制度は、アンメット・メディカル・ニーズへの貢献が期待できる新薬の開発・審査の迅速化を目的としたもの。同制度指定を受けることで、製薬会社は開発中新薬の申請資料を段階的に提出(「ローリング・サブミッション」)することが可能となり、FDAは提出されたデータから順次審査を進めることが可能となる。
同社は、米国における同剤の新薬承認申請を進め、本年中に新薬承認申請の提出完了を目指すとしている。

開発中の新規抗悪性腫瘍剤TAS-102がFDAよりファスト・トラック指定 ローリング・サブミッション開始 - 大鵬薬品工業株式会社
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