塩野義製薬が非臨床試験成績を公表
大阪市中央区に本社を置く塩野義製薬株式会社は、アメリカフィラデルフィアで開催中の米国感染症学会週間において、新規注射用シデロフォアセファロスポリン系抗菌薬の多剤耐性菌を含むグラム陰性菌に対する非臨床試験について良好な成績を発表したと、2014年10月10日に発表しました。この抗菌薬は塩野義製薬が創製したものです。
今回の試験の背景について
多剤耐性菌は抗菌薬の化学構造の一部を分解する酵素によって既存の薬剤に耐性を示すという性質をもち、その数が年々増加する傾向にあります。今回の学会週間で発表された非臨床試験の成績ではこの抗菌薬がカルバペネム系を含む複数の抗菌薬に対して耐性を示しているβ-ラクタマーゼ産生グラム陰性菌、そしてとりわけカルバペネム分解酵素産生肺炎桿菌に対するこの薬の高い抗菌活性が見られました。
今回の発表において新たにカルバペネマーゼ産生肺炎桿菌に対して強い抗菌作用を示すことが報告され、この抗菌薬に対して臨床に携わっている医療従事者の関心はより一層高まると期待されています。この薬は現在第2相臨床試験の段階で、2015年中には第3相臨床試験を始める予定です。

塩野義製薬 プレスリリース
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